「君の膵臓を食べたい」から住野よるさんのファンになり、最新作が出版されたので読んでみました。(出版されてから約1年が経ってしまいましたが…)
どこかほっこりとする表紙も購入のきっかけとなった1つです。
麦本三歩?どんな人だろう?好きなものってなんだろう?どんな内容なんだろう?と思って読むと面白いと思います。
あらすじ
主人公の名前は麦本三歩。
彼女はよく食べ、おっちょこちょいで、間抜け。
しかし、彼女はそんな周りからの評判には納得していない。
彼女は大学内にある大学図書館で働いている。
彼女に周りには「優しい先輩」「怖い先輩」「おかしな先輩」といった個性豊かな先輩がいる。
彼女は仕事でミスをし「怖い先輩」からよく怒られる。
しかし、みんな彼女のことが好きなのだ。
休日の彼女の過ごし方、「怖い先輩」にご飯に誘われる、大学時代の友達と遊びに行く、女友達との旅行…
そんな彼女と周りの人達との日常を描いた物語である。
こんな人がいたら面白い
三歩はおっちょこちょいで見ていて危なっかしいのだけれどもどこか憎めない。
本の中の登場人物だけれど、おそらく現実社会にも彼女のような人いると思います。
いや、絶対いる(笑)
でも、彼女のような人が周りにいたとしたら面白いと思います。
生きることに精一杯で好きなことに夢中になれる人は見ていて楽しいし応援したくなる存在。
そんなところが彼女の魅力なのかなと思いました。
どこにでもいる女子の日常が描かれている
主人公の麦本三歩は何か特殊能力を持っているわけではなく、何かすごい特技を持っているわけでも無いどこにでもいる女子。
この小説はそんな彼女の日常が面白おかしく描かれている。
中でも特徴的なのは三歩の「心の声」。
例えば
家でのダラダラした時間に入る際に、ノートパソコンを開いてラジオを流し、部屋着のスウェットに着替えベッドに寝転がりスマホを眺めそのまま寝落ちしてしまうというシーン。
普通ならこの後に彼女は寝てしまったなどの解説が入ると思いますが、この小説は一味違い起きた様子を次のように表現しています。
「んー………………ふがっ」
このような表現が至る所に出てくるのも楽しみの一つ。読んでいてクスッと笑えるところが面白いと思います。
おかしな先輩とのやりとり
「麦本三歩の好きなもの」の中で最も印象的だったのは「おかしな先輩」とのやりとり。
「三歩みたいな子は、好きじゃない」
ご飯を一緒に食べに行って先輩から言われた一言。
こんなことを言われたら普通は落ち込むはずなのに三歩はそこでふと気が付きます。
おっちょこちょいで遅刻しても、プリントを忘れても三歩だから許してくれていたことを。
そして「おかしな先輩」に好きになってもらうことを目標にします。
三歩は三歩として扱ってくれていることが嬉しかったのでしょう。
忙しい日々を過ごしている人はぜひ思わずクスッと笑ってしまうこの本を読んでみてはいかがでしょうか。
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