敵は先入観!小学生が主人公の「逆ソクラテス」

読書

伊坂幸太郎さんの新作「逆ソクラテス」が発売されてので購入!

本屋さんに行ったら表紙が可愛らしく、タイトルが目に止まったので思わず手に取りました。

どんな本なのかレビューしたいと思います。

どんな本なのか

短編5編からなるこの小説は、小学生を主人公とした内容で悪者(小説の中で言うと先生やクラスメイト)に最後にギャフンと一泡吹かせるような逆転劇が描かれており読み終わった後には爽快感が気持ちいい作品です。

収録されている短編はどれもタイトルに否定の意味を表す「逆〇〇」などといったタイトルが付けられており、帯の通り「先入観」を敵としています。

非オプティマス

中でも印象的だったのは「非オプティマス」。

転校生の保井福生はいつも同じ服を着ておりクラスの中心人物でもある騎士人(ないと)に馬鹿にされていた。

そんな中、学校公開(授業参観)で担任の久保先生は「相手によって態度を変えることほど、格好悪いことはない」と言う。

学校公開が終わり、将太、福生、騎士人の3人で話しているところに間に合わなかった騎士人のお父さんが学校に到着する。

騎士人のお父さんは「お友達か?」と問いかけるも騎士人は「同級生。友達じゃないよ」と答える。

今度はそこへ福生のお母さんがやってくる。

なんと福生のお母さんは騎士人のお父さんのクライアントだったのだ。

世間は広いようで狭い。

いつどこで誰と誰がどんな形で繋がっているのかは分からない。

もしかしたら、今回の話のように意外な人が繋がっているのかもしれない。

今まで冷たくしていた人が実は大切なお客さんの家族だったりするかもしれない。

人を見て態度を変えるようなことはしないようにしていきたいものですね。

ここの話は人間関係について深く考えさせらてました。

まとめ

小学生ならではの発想の仕方や言葉遣いや話の内容などが本当に小学生の会話を聞いているような感覚で読み進めることが出来ました。

小学生が主人公の短編集。著者自身が子どもを主人公にする小説を書いたことが初めてで、言葉使いであったり、表現が乏しくなってしまって子ども向けの本だと思われてしまう難しさがあったようです。そんなデビュー20年にして新たな挑戦をした著者の集大成ともいえる作品では無いでしょうか。

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